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皆さんこんにちは!
田鍋建装、更新担当の中西です。
第3回でご紹介した各種ボード材の特徴と使い分けに続き、今回はその“施工技術”に焦点を当てます。
建材としての性能も大切ですが、それを最大限に引き出すのは「施工品質」です。
特に「下地処理」「ビスの打ち方」「パテ処理」は仕上がりに直結する非常に重要なポイントです。
ボードが綺麗に貼れるかどうかは、実は「貼る前」に決まっています。
下地の間隔が適正か(通常300〜450mm)、通りが真っ直ぐかどうかを確認し、たわみや傾きがあれば補正する必要があります。
棚、手すり、壁掛けテレビなどの取付けがある箇所には、ボード裏にベニヤなどの下地補強を入れておくのが鉄則です。
補強の有無で後の施工難度や強度に大きな差が出ます。
石膏ボード:紙が破れずに1mm程度沈む
ケイカル板:表面割れを防ぎつつ沈む程度
ビスの深さが浅すぎるとボードが浮いてしまい、深すぎると紙面が破れて保持力が落ちます。
また、縁からの距離は10〜15mm以上を確保することが割れ防止に重要です。
壁面:150〜200mm
天井:120〜150mm(より密に)
※外周部と中央部で適宜変えることもポイント。
ボード間の隙間には専用パテとファイバーテープ(または紙テープ)を併用し、下塗り→中塗り→仕上げ塗りの工程を丁寧に行います。
この工程を省くと、クロス仕上げの後に割れや段差が浮き出る原因になります。
中塗りと仕上げ塗りの間にはしっかり乾燥時間を取り、最終的に目立たぬようペーパーで均す仕上げ作業が必要です。
ボードの表面に“浮き”や“凹み”はないか?
ビス跡の埋め戻しは平滑か?
目地処理の跡が浮いていないか?
完成後にクロスや塗装をしてしまえば“見えなくなる”部分だからこそ、事前の確認と丁寧な施工が何より重要です。
「ボード貼り」は一見シンプルな作業に見えるかもしれません。
しかし、実は“現場の腕”が如実に表れる工程であり、仕上げ材の耐久性や見栄えを大きく左右します。
施工精度の高い下地処理・ビス打ち・パテ仕上げを実践することが、最終的な建物の品質そのものにつながるのです。
次回(第5回)は、「防音・断熱性能を高める!ボードと断熱材・遮音シートの組み合わせ」について解説予定です。
ますます実践的なテーマとなります。
次回もお楽しみに!
田鍋建装は、京都府南丹市を拠点に近畿地方一円で軽天ボード工事を専門に行い、見えない骨組みから仕上げまで高品質・安全・スピーディに提供しています。
本シリーズを通じて、現場で役立つノウハウをぜひご活用ください。
皆さんこんにちは!
田鍋建装、更新担当の中西です。
内装工事やリフォームの現場では欠かせない存在である「ボード材」。しかし一言に“ボード”と言っても、その種類や性能、適した使用場所はさまざま。
今回は代表的な4種のボード材「石膏ボード」「ケイカル板」「耐水ボード」「耐火ボード」の特徴と使い分けについて、用途別に一般的な市場での動向を基に詳しく解説していきます。
石膏(硫酸カルシウム)を芯材にし、両面を厚紙でサンドした構造。
軽量で加工しやすく、コストパフォーマンスにも優れています。
加工性が良く、施工しやすい
安価で入手しやすい
防火性能が高い(一定の厚みで国の耐火認定取得可能)
水に弱く、吸湿による変形・劣化がある
外装や水回りには不向き
室内の壁・天井下地材
一般住宅・集合住宅・商業施設の内装下地として広く使用
ケイ酸質材料と石灰質材料を原料とし、高圧蒸気養生で製造される不燃建材。
石膏ボードより硬くて耐水性があり、不燃性能にも優れています。
不燃材料として認定済み(NM-XXXX)
湿気や水に比較的強く、寸法安定性が高い
白く美しい表面でそのまま仕上げにも使える製品もあり
石膏ボードよりも割高
加工にはダイヤ刃など専用工具が必要
キッチン・トイレ・脱衣所などの水回り
外部軒天の下地材
防火区画の不燃下地として
芯材に撥水処理が施された石膏ボード。表面紙にも耐水加工を施しており、水や湿気に対して高い抵抗性を持ちます。
通常の石膏ボードよりも吸水性が低い
湿度変化に強く、水回りでも長期的に安定
通常の石膏ボードより高価
完全な防水ではないため、塗装や防水材と併用が前提
洗面所、トイレ、脱衣所の壁下地
浴室周りの壁(ただしユニットバスとは区別)
通常の石膏ボードよりも芯材密度が高く、繊維材料などを加えて強化された不燃性ボード。建築基準法に定められた耐火構造の壁・天井で使用されます。
高温でも変形・崩壊しにくい
耐火等級に応じた製品展開がある
認定施工により法的な安全基準に適合
重量があり、施工に熟練が必要
通常の石膏ボードよりも高価
防火壁・耐火間仕切り
ビル・病院・学校など防火区画が求められる建築物
ボードごとのビスピッチや留め具の確認:特にケイカル板や耐火ボードは強度が高く、専用のビスが必要です。
ジョイント処理と下地補強:ボード間のすき間処理はクラック防止の肝。専用パテやファイバーテープで丁寧に。
荷重物の取り付けを考慮:TVや棚などを取り付ける場合、下地補強が必須です。
各種ボードにはそれぞれの“得意分野”があり、価格や施工性の違いも含めて総合的に判断することが求められます。
「安いから石膏ボード」「水回りにも同じ材料」ではなく、場所と用途に応じた最適な選定が、建物の長寿命化と快適性を左右します。
次回(第4回)は、「ボード施工の品質を左右する!下地処理・ビス打ち・パテ処理のポイント」を深掘りしていきます。
実際の現場で役立つノウハウをお届けします。
田鍋建装は、京都府南丹市を拠点に近畿地方一円で軽天ボード工事を専門に行い、見えない骨組みから仕上げまで高品質・安全・スピーディに提供しています。
本シリーズを通じて、現場で役立つノウハウをぜひご活用ください。
次回もお楽しみに!