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第11回軽天ボード工事マスター講座

皆さんこんにちは!


田鍋建装、更新担当の中西です。

 

~変遷~

 

軽量鉄骨(LGS=軽天)で下地を組み、石こうボードで面をつくる——。
内装の乾式工法は、この半世紀で「速い・軽い」から**“高性能×高精度×短工期”へと進化してきました。
ここでは、現場目線で
材料・法規・施工管理・デジタル化**の変遷をざっと俯瞰します。


1|〜1970s:湿式中心から“乾式”への転換期

  • 背景:高度成長でオフィス・商業施設が大量供給。工期短縮と軽量化が最優先。

  • 技術:木下地+ラス・左官から、軽量鉄骨下地+石こうボードへ置き換えが進む。

  • 価値基準:スピードとコスト。仕上げは熟練の勘頼み、記録文化はまだ希薄。


2|1980–1990s:新耐震と標準化—「強く、規格通りに」

  • 法規・性能:新耐震以降、耐震・耐火・遮音の要求が明確化。

  • 材料:スタッド・ランナー、野縁・吊りボルトなど部材の規格化が進行。耐火認定仕様の普及。

  • 施工2重壁・浮き天井などディテールが定型化し、ビスの種類・ピッチ・下地ピッチが“ルール化”。

  • 管理:墨出し器・レベル基準で通り・水平を管理する文化が根づく。


3|2000s:高意匠・健康・更新容易性の時代

  • シックハウス対応:ホルムアルデヒド対策材、**F☆☆☆☆**の採用が標準に。

  • 用途別ボード:耐水・耐衝撃・吸音・表面硬化など機能別石こうボードが拡充。

  • 建築の変化:テナント入替が多いビルで可変間仕切り・モジュール寸法が重視。

  • 現場ガス式ピン打ち・軽量工具の普及で生産性が向上。安全対策も強化。


4|2010s:震災教訓と“天井の安全”、BIMの入口

  • 天井脱落対策:大空間のクリアランス・ブレース・クリップなどディテールが精緻化。

  • 遮音・断熱の高度化:二重下地・浮き床併用、ランナーパッキン制振材D値/音環境の設計。

  • デジタルBIM→施工図の連携が始まり、干渉チェックやスリーブ・インサート位置を事前確定。

  • 品質管理:目地割れ・目違い対策として目地計画・温湿度管理・下地剛性が“型”になる。


5|2020s:人手不足×短工期×サステナ—“再現性”が競争力

  • 省人・省力プレカットLGS・ユニット天井・プレウォールで現場工数を削減。

  • BIM to Fieldレーザー墨出し+タブレットで位置情報を共有、写真台帳アプリで検査を可視化。

  • 環境:リサイクル石こう・低炭素電炉鋼材、粉じん対策・静音工具が評価対象に。

  • 安全高所作業の墜落・挟まれ・粉じんを前提にした標準教育とKY(危険予知)が常態化。


技術の進化:要点だけサクッと

  • 下地:LGSのモジュール化で曲面・大型開口も安定施工。耐震クリップ・ブレースの選定が肝。

  • 天井直天井/吊り天井/二重天井を使い分け、設備点検性や遮音を両立。

  • ボード:標準・耐水・耐火・吸音・表面硬化・曲げ用など用途別に細分化。

  • 目地・仕上げ目地割付→下地補強→パテ3工程が基本。温湿度と乾燥管理で割れ・膨れを防ぐ。

  • 遮音二重下地+空気層+吸音材+隙間止めで実力値を出す。電気・設備貫通部の封止が効果の決め手。


発注者の“いまのニーズ”はここ

  1. 短工期×高精度:引渡日固定のなかで通り・面精度を担保。

  2. 性能の“証拠”:耐火・遮音など仕様通り写真・検査記録で可視化。

  3. 可変性:テナント入替に合わせた解体・再組立のしやすさ

  4. 安全・コンプラ:高所・粉じん・騒音の管理、近隣配慮

  5. サステナ残材最小化・石こうリサイクル・低VOCの調達。


現場の“やりがい”はこう変わった

  • ミリ単位の通りが出た瞬間の快感。長い廊下の天井が一直線に決まる気持ちよさ。

  • 図面どおりに“干渉ゼロ”で納め切る段取り力が評価される誇り。

  • 遮音・耐火の試験値が想定どおり立ち上がり、数字で貢献を示せる手応え。

  • 短工期を安全に完走し、引渡し当日に仕上げが映える達成感。


“今日から”役立つチェックリスト ✅

計画

  • 仕上げ・設備・防火区画を一枚の施工図で整合/搬入経路・仮置き計画。

  • ランナーの連結・下地補強・開口補強の有無を事前確定。

施工

  • 墨出し→アンカー→LGS組立→面材の順で検査ポイントをはさむ。

  • ボード張りは目地ずらし・端部下地・ビス沈み深さを統一。

  • 貫通部の封止(耐火・遮音)とクリアランスの確保。

仕上げ前

  • 面のうねり・目違いの是正、ジョイントの乾燥確認。

  • 写真台帳(下地・断熱・貫通部・クリアランス)を保存。


これからの10年:軽天ボードは“製造業化”する

  1. DFMA/プレファブ:工場で精度を出し、現場は組み立てと品質確認に特化。

  2. BIM連携の深化IFC→切断リスト→現場配置まで自動化、穴あけレスの設計へ。

  3. ロボット/自動化自動ビス打ち・材料搬送、粉じんの吸引一体化。

  4. 循環型資材再生石こう・再生鋼材の主流化、残材ゼロ設計。

  5. 性能の即時検証:現場での遮音・気密・水平精度のその場測定とデータ引渡し。


まとめ:乾式内装は“精度で価値をつくる工事”

湿式から乾式へ——そして性能×生産性×データで競う時代へ。
標準ディテールを守り、段取りで当て、記録で証明する。
この再現性こそが、軽天ボード工事の“変わらない強み”であり、
次の指名と、現場のやりがいを生み続ける源泉です。🧰✨

 


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